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ワンポイントアドバイス

ここでは、撮影に一工夫して

画像の価値を上げた例を紹介します。

症例①
TKAのLoosening

ほとんどの施設では、膝関節側面を撮影するときは側臥位にて撮影すると思います。
この症例は荷重位で側面を撮影し、人工膝関節の大腿骨が後方へずれている(instability)様子がわかります。
不安定性を示すのに荷重位での撮影が有効であることがわかる写真ですね。
​(提供:奈良医大 安藤英次先生のご厚意による)

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症例②
腰椎の立位半切撮影

腰椎の撮影といえば【背臥位】で撮影している施設も多いかと思います。
しかし、【立位】で撮影すると椎体と椎体の間の狭小具合がわかるだけでなくCobb角(側弯症の計測指標)を計測することが可能です。さらに、半切で撮影することにより、骨盤も含めて撮影できるので骨盤の傾きや骨盤の前傾、後傾の程度も確認できます。
腰椎撮影は変形の有無の確認も大事ですが、計測も同じくらい大事だということがわかる写真ですね。
(提供:奈良医大 安藤英次先生のご厚意による)

症例③
変形性膝関節症の立位撮影

ほとんどの施設では、膝関節正面を撮影するときは背臥位にて撮影すると思います。
この症例は荷重位でを正面撮影し、膝関節の内側関節裂隙が完全に消失して大腿骨と
脛骨が衝突している様子が伺えます。KL分類でGrade5に分類され、手術適応となりました。背臥位での撮影では手術適応から除外される可能性が高い症例ですね。
​(提供:奈良医大 安藤英次先生のご厚意による)

症例④
膝関節の立位撮影

症例③でもお話しましたが、そこからさらに深く踏み込んで立位撮影がなぜ大事なのかということがわかる内容です。関節裂隙の狭小化、アライメントの変化を追うには臥位撮影よりやはり立位撮影が有効であるとわかりますね。立位側面のポジショニングのポイントも記載されてます。ページ下にスライドが掲載されているPDFを貼り付けますので是非ご確認ください。
​(提供:奈良医大 安藤英次先生のご厚意による)

症例⑤
股関節の正しいポジショニングとは

今回は股関節に関して踏み込んでお話していこうと思います。

股関節のポジショニングは『軽度内旋』させて撮影と教わった技師さんも多いかと思います。しかし、内旋位での撮影は小転子が大腿骨に隠れてしまい、評価ができません。また、技師によって内旋の掛け具合が異なりますので再現性に欠けてしまうというデメリットが発生してしまいます。

そこで、再現性が高く、患者さんも辛くない『パテラホルン肢位』での撮影をお勧めしております。パテラホルン肢位とは簡単に言うと膝蓋骨が真上を向くようにする肢位のことです。

極端な内旋をかけるより患者さんにとって楽なパテラホルン肢位を是非一度行ってみてはいかがでしょうか。

​ページ下に股関節のポジショニングの解説が記載されているPDFを貼り付けますのでご確認してみてはいかがでしょうか。

​(提供:奈良医大 安藤英次先生のご厚意による)

症例⑥
腰椎立位PA撮影のメリット

腰椎立位PAホームページ②.png
腰椎PAホームページ用①.png

 今回は腰椎の撮影体位と撮影方向に関して踏み込んでお話していこうと思います。

症例②でもお話しましたが、腰椎の撮影体位は多くの施設では『背臥位』での撮影が多いかと思います。実際、撮影の教科書や本を見ても背臥位でのポジショニングの記載がほとんどです。しかし、背臥位での撮影は実際の椎間板の狭小具合や側弯の計測ができないというデメリットがあり、それらを正しく評価することができません。

また、背臥位撮影では、椎間板腔が明瞭に描出されないというデメリットもあります。

 そこで、椎間板腔の描出の再現性が高い『立位PA撮影』での撮影をお勧めしております。

上記XPにて、AP撮影とPA撮影の写真を提示させていただきます。

 立位PA撮影で撮影することにより椎間板腔の描出能が向上し、より正確な診断を医師ができるかと思います。(立位ができない患者さんに対しては無理に行わないでください)

 また、立位では背臥位とは違い、寝て起きるという動作が無くなりますので時間短縮に繋がるだけでなく患者さんの負担も軽減されます。

 皆さまの施設で腰椎の撮影を立位に変えて腰椎の撮影に一工夫して写真の価値を上げていきましょう。

​ページ下に腰椎PA撮影のメリットに関するPDFを貼り付けますのでご確認してみてください。

​(提供:奈良医大 安藤英次先生のご厚意による)

​症例⑦

Hip-spine syndromeを考慮した描出範囲による長尺撮影の有用症例

 今回は全脊柱撮影に関するお話です。

皆さん、全脊柱の撮影範囲は意識して撮影していますか?撮影範囲に股関節を含めて撮影する施設もあれば、腸骨から上のみ入れて撮影する施設もあるかと思います。

 ここで、今回お話したいのは股関節まで含めて撮影するといいことがあるよということです。

 どのようないいことがあるかというとまずはHip-Spine Syndoromeの評価に適しているという点です。腰痛と股関節痛は相関があるということは皆さんご存じかと思います。ただ、画像でしっかり示しているでしょうかと言われると腰椎と股関節を別で撮影したりなど、正しく評価できていないという施設もあるのが現状です。

 症例1(写真左)では、左側弯症のある16歳男性の全脊柱正面撮影の写真です。脊柱の目がいくかと思いますが、実は左股関節に骨腫瘍があるのに気が付いたでしょうか?脊柱以外にも目を向ける必要がある写真ですね。

 症例2(写真右)は腰椎の後弯がある78歳女性の全脊柱側面撮影の写真です。側面から確認するに、円背がありますね。脊柱以外に目を向けてみると、骨盤の角度が後ろに傾いているのがわかります。それに伴い、膝関節も屈曲していると運動器の機能的解剖から推測することが容易にできます。

​ 全脊柱の撮影では脊柱に着目するのは当然ですが、是非股関節まで含めて撮影してみてはいかがでしょうか。また、脊柱以外の部分(特に股関節や骨盤の角度)にも目を向けてみてください。

​(提供:奈良医大 安藤英次先生のご厚意による)

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